大気汚染が原因のアトピー 東北大が痒み発生のメカニズムを解明

東北大大学院医学系研究科の山本雅之教授らの研究グループが、大気汚染物質が原因で引き起こされるアトピー性皮膚炎の仕組みを解明したと発表しました。

大気汚染物質が特定のタンパク質を活性化させて痛覚神経が発達。発達した神経が過剰に反応してしまう事で、強い痒みを感じるようになり、アトピーを発症するようになるのだとか。

こちらでは、大気汚染が原因のアトピー 東北大が痒み発生のメカニズムを解明 という情報を紹介していきます。

大気汚染が原因のアトピーのメカニズム

もともと工場地帯などでは、子供のアレルギーやアトピーの発症が多いことは知られています。実際日本でも、世界でも工場地帯や大気汚染が酷いところでは、アレルギーやアトピーの発生率が高くなっています。

しかし、大気汚染が原因でアトピーやアレルギーが発生していることがわかっていても、どういったメカニズムでアトピーやアレルギーが発生しているかはわかっていませんでした。東北大の研究チームが発表した内容は、この大気汚染が原因のアトピーアレルギー発症のメカニズムについてです。

今回、東北大の研究チームは、大気汚染物質と結合して活性化するAhRというたんぱく質に着目。AhRを失ったマウス、通常のマウスの皮膚の上に大気汚染物質を塗布して数週間の観察を開始しました。

すると、通常のマウスは、AhRを失ったマウスよりも、痒み神経の発達を促すタンパク質「アルテミン」が４～５倍も多くなっていました。そして、アルテミンの増加に伴い、痒みを感じる痛覚神経が表皮近くにまでに発達していました。

この痛覚神経の発達により異常な痒みを発生させアトピー性皮膚炎を発症。さらに、掻きむしる事により、裂傷をつくってしまい、アレルゲンや細菌などの侵入を許してしまう事により、より一層痒みを増してしまうことになるわけです。

今回の研究発表により、今までステロイド外用薬などで免疫を抑制する事しかアトピーの治療法が無かった現状から打って変わって、AhRやアルテミンを抑制することで痒みを抑える治療法の確立が期待されるようになります。

今回の話はまだまだ研究発表段階のもので、実用的な薬の開発には時間がかかります。しかし、工場地帯や大気汚染の激しい地域にお住まいで、アトピーやアレルギーに悩まされている方にとっては待ち遠しいものになりそうですね。

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